脊椎マニピュレーション 「仙骨と骨盤」第7章~第8章
まとめ貼っておきます。
過去のまとめ
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。
なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。
原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。
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脊椎マニピュレーション 第8章③「骨盤矯正テクニック」
仙骨の骨盤機能障害のテクニック
テクニックを始める前に、
ハムストリング、殿筋、回旋筋、腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋、靱帯のバランスが
とれた状態で行ってください。
そのまま行っても効果がありますが、その方がより自由に骨盤が動きます。
お断り
本書の写真を使えればよかったのですが、使用しないようにしています。
できる限り似せていますが、フリー素材のつぎはぎなのでご了承ください。
アウトフレア
患者は背臥位
アウトフレアしている側の膝を治療台の上に置いて曲げます。
術者は坐骨結節の内側に手を置き、もう片方はASISの外側に置きます。
やさしく坐骨結節は外側に引き、ASISは内側に押します。
寛骨がダンスを経てリリースされるまで待ちます。
インフレア
患者は背臥位
インフレア側と反対に術者は立ちます。
術者は患者の膝を持ち、正中線を越えて持ち上げ、自分に寄せてください。
片方の手はASISの内側に当てます。
やさしく膝は術者側に引っ張り、ASISは外側に押して
リリースされるまで待ちます。
上方滑り
上方滑りしている方を上にして側臥位
直接的テクニック
やさしく、しっかりと脚を引っ張ります。
間接的テクニック
やさしく、しっかりと大腿骨から骨盤側に押す。
さらに上方すべりさせることで待ちます。
拍動を感じ、寛骨が下方に向かうのが感じられたら、
ゆっくりと下方に向かうスピードに合わせて引っ張ります。
もしよくわからない場合は
押してから約5~10秒間そのままで待ち、それから引っ張ってください。
下方滑り
下方滑りは上方滑りの逆を行います。
前方ズレ
患者は腹臥位
前方にズレている側に立ち、恥骨の上に置き
反対側の寛骨に前腕を置きます。
恥骨を後方に押しながら、前腕で骨盤を固定してください。
リリースされるまで待ちます。
後方ズレ
患者は腹臥位
後方ズレと反対側に立ちます。
上記と同じ手のポジションになりますが、
後方ズレでは寛骨を前腕を押して、恥骨は固定になります。
前方捻転
患者は背臥位
捻転が起きている方に立ち
手はASISに置き、片方で膝を持ち上げて
ASISに圧をかけて待ちます。
後方捻転
患者は腹臥位
捻転が起きている側に立ちます。
捻転側の大腿骨を持ちあげ寛骨を押して待つ
第8章はここまでです。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第8章②「機能障害の検査と触診」
仙腸関節における機能障害のための検査法と触診
骨盤の機能障害を生み出す3つのパターンは
捻転・フレア・ズレです。
捻転
寛骨が前方か後方に捻転する
フレア
寛骨のフレアはアウトフレアかインフレアのどちらかです。
アウトフレアは腸骨が外側に回旋し、坐骨結節が内側に回旋します
インフレアは腸骨が内側に回旋し、坐骨結節が外側に回旋します。
ズレ
前後のズレ(前後滑り)か上下のズレ(上下滑り)
検査法
立位屈曲テスト
PSISに両母指を置き、
患者には立位で最大限無理なく前屈できるところまで前屈してもらう
もし仙腸関節が固まっているようであれば片方の母指が上にずり上がります。
ずり上がった方が固まっています。
ハムストリングもしくは腰方形筋が非対称に硬くなっていない限り、
このテストは大変よく機能します。
※母指がずり上がった方と逆側のハムストリングが硬い場合、
同側の腰方形筋が硬い場合でも同じ現象になるため鑑別が必要です。
このテストでは、仙腸関節が固まっていることだけがわかります。
捻転、フレア、ズレは識別できません。
このテストは座位でも可能です。
立位では骨盤、脚の影響を加えた状態で固まった関節を見ています。
立位、座位共に同じ結果であれば、それは間違いなく関節が固まっています。
ストーク・テスト
まず立位でPSISと正中同じ高さに指をおく
その後指を置いた側の脚を膝が90°になるようにあげてもらいます。
もしPSISが下にさがれば問題なしで、上にあがれば制限ありになります。
この本では動かなければ制限ありとしています。
まずはテストで制限がどちらにあるのか知りましょう。
制限がどちらにあるのかが、基準になり、
今から紹介していく触診の結果になります。
インフレア・アウトフレアの触診
背臥位でへそに正中線を引き、ASISが内にあるか外にあるか見ます。
もし右が内側に左が外側に来ているように見える時
制限されていた方を基準に考えてください。
右が制限されていたのであれば、インフレア
左が制限されていたのであれば、アウトフレアになります。
ズレのための触診
ほとんどが上方すべりのズレで下方すべりは珍しいです。
腹臥位で左右の坐骨結節の上におき、上下の差を見ます。
上方に行っており、制限されている方と同じであれば、
それは上方すべりになります。
※腰椎の側屈による弯曲により寛骨がズレて見えることがあるため鑑別すること
上方すべり別法
腹臥位で左右PSISを見る
背臥位で左右ASISを見る
どちらも上に向かっている時は上方すべりしている。
ズレている方では恥骨と鼠径靱帯に圧痛がある
前後のズレ
恥骨が前方に来ているか後方に来ているか
屈曲テストで制限のあるほうにズレている方が前後どちらかで固まっている。
前後の捻転
通常、捻転は骨盤の機能障害で最も起こりにくいものです。
上記の屈曲テスト➡フレア触診・ズレ触診をし
その後、まずフレア、ズレの矯正をしてから捻転の触診してください。
利き足と捻転の関係
利き足側が前に捻転、逆が後ろに捻転することが通常です。
もし利き足と逆であれば外傷によって起こったものかもしれません。
屈曲テストで得た情報とズレ、フレアを矯正したのち
それでもまだ固まっているようであれば、捻転を矯正します。
背臥位でASISの前後を見る
屈曲テストで固まっていた方が前後で捻転しています。
機能障害は2つの組み合わせはあっても
3つ揃うことは著者も見たことがないそうです。
ただそんなケースもあり得るだろうと話しています。
触診でズレなのかフレアなのかわからなかった場合
屈曲テストで固まっている方を見つけ、そちらを矯正することになりますが、
まずズレを矯正してから再検査した時にテストで陰性になっていれば、
ズレが原因だったことになります。
もし再検査でも陽性なのであれば、次はフレアを矯正してください。
それで再検査して陰性になれば、矯正完了です。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
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脊椎マニピュレーション 第8章①「骨盤と姿勢」
第8章
骨盤
仙骨と骨盤はお互いに密接に結びついています。
共同体でありながらお互いに独立した状態であれば問題はありません。
どちらかの正常な動きが阻害された時、痛みや苦痛が起こります。
仙腸関節は骨盤に強く影響し、問題を引き起こす可能性があります。
骨盤の機能障害の治療は腰痛を解決する上で非常に重要です。
仙骨のリリースだけでは治療は不十分です。
仙腸関節をリリースしなければ大半は再発します。
靱帯・骨盤・仙骨・L4・L5がいかに堅く結びついているか
骨盤回旋筋、特に梨状筋との関係をよく知っておきましょう。
骨盤と姿勢
骨盤は前傾、後傾だけではなく前後に水平移動します。
骨盤の前傾は大腿四頭筋の短縮が見られ
骨盤の後傾はハムストリングの短縮が見られます。
仙骨が両側で後方うなずきで固まっている場合、
腰椎L4、L5も同じ方向に引っ張られ
骨盤が後傾している人は仙骨も後傾している傾向が多いです。
原文のまま
傾きと移動の違いを識別しないことは、患者の身体全体のアライメントを評価する上で、多くのセラピストを誤った方向に導いてきました。
患者の骨盤が後傾している状態で、正中矢状軸を越えて前方移動を示している場合、
前弯もしくは脊柱前弯症として、このパターンを誤って理解してしまうことがよくあります。
骨盤が前方移動するにしたがって、胸椎は後方に移動して、後ろに下がったような
外見を呈します。
しかし注意深く見てみると、適切な前弯が実際にはかけている腰椎を
しばしば見つけることでしょう。
脊柱前弯症の誤解は骨盤の前方移動によって生み出されるのです。
何が言いたいのかというと
後傾を伴って前方移動した骨盤は腰椎が平らで、腰椎の生理的弯曲が見られない。
その状態を脊柱前弯症であると誤診しないようにしましょう
と言っています。
参考・引用文献:
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~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
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脊椎マニピュレーション 第7章③「仙骨の捻転とズレ」
仙骨の捻転
仙骨の側屈と回旋は捻転と呼ばれ、捻転は斜軸の周りで起こります。
仙骨は4方向に捻転します。
仙骨は4方向のいずれかに固まっていた時問題を引き起こします。
もし仙腸関節に機能障害がある場合、
身体の至るところに問題を引き起こす。
歩行時の適切な体の動きは
仙骨の左右捻転する能力によって影響されます。
右脚が踵接地から足尖離地で動く際、
体重は右脚の上に移動し始め、骨盤は右外方へ移動していきます。
足尖離地に向かうに従い、左寛骨は後方に回旋する中、
右寛骨が前方に回旋し始めます。
右寛骨が前方に回旋するにつれて仙骨は右捻転に動きます。
左仙骨底は前屈へと動くことで、右回旋して左側屈が起きます。
そして腰椎は右側屈と左回旋、胸椎は左側屈と右回旋、
頸椎は右側屈と右回旋になります。
反対も同じです。
骨盤の移動、仙骨の捻転、脊柱の回旋と側屈は
歩行と片脚立ちになるとき身体の弯曲が必要です。
仙骨のズレ
仙骨のズレは通常、怪我によって引き起こされる。
時として仙骨のズレは長年にわたる腰椎前弯か腰椎が極端な方向に曲がっている
回旋側弯で生じることがある。
仙骨のズレのリリースは捻転のリリースと
同じテクニックを使います。
ズレと捻転の違い
仙骨底が片方が後方で片方が前方にある時
仙骨尖外方角ILAをみる
※○印がILAです。
左仙骨底が前に、左ILAが前、右ILAが後ろならば、捻転
もし左仙骨底が前、左ILAが下方でより後方にあればそれはズレです。
テクニックのバリエーション
患者は腹臥位でお腹にはタオルなど敷き
体幹が屈曲になるようにします。
左仙骨底と左ILAに両母指を置き、
左側を継続的にやさしい動きで揺れ動かしてから、
動きを止めいずれかに適切な圧をかけてダンスに従いリリースを待つ
例:右後方にズレて固まっている仙骨
患者は腹臥位で上体を起こしてもらう
右仙骨底と右ILAを押す。(上記と同じ)
※85ページから88ページまで
ルンペルシュティルツキン効果と呼ばれる謎の用語の説明がありますが、
読んだところでなにも得られないので、全て割愛しました。
第7章はここまでです。
第7章は24ページありましたが、
必要なことはこれだけでした。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第7章②「仙骨の間接的テクニック」
仙骨のための間接的テクニック
仙骨の回旋が明らかになったら、
元に戻るように回旋させる簡易な間接的テクニックを用います。
第一章と同じ方法を用いることができます。
患者は座位もしくは腹臥位
母指を仙骨底の左右それぞれに置きます。
仙骨が左回旋していれば、左仙骨底は後方に、右仙骨底は前方にあります。
右仙骨底がより回旋するように圧をかけ待ちます。
仙骨のダンスに従ううちに回旋している仙骨は元の位置に戻ろうとします。
間接的テクニックは関節面の制限を取り除くものではありません。
関節面の制限には効果が薄い傾向にあります。
後方で固まっている場合
体幹を後屈させ前方および少し下方に1㎏程度の圧をかけて待ちます。
座位で行ってもいいですし、腹臥位であれば
患者はベッドに肘をつき上体を起こした状態になってもらってください。
前方で固まっている場合
体幹を前屈させ前方で固まっている仙骨底に下向きに1㎏程度の圧をかけてください。
もう一方の後方に回旋している仙骨底には前方にさらに下向きに押し下げて待つ。
座位で行ってもいいですし、腹臥位であれば
体幹が前屈するように腹部の下にタオル、枕をひいてください。
両方が固まっている場合
後方は後屈位で両方の仙骨底に1㎏の圧をかけ待つ
前方は前屈位で両方の仙骨底に1㎏の圧をかけ待つ
座位か腹臥位どちらでも構いません。
※この書き方であれば、
どちらに仙骨が固まっていたとしても
おそらく両方が固まっている場合のやり方だけで
十分アプローチ可能だと思います。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第7章①「仙骨の動き」
第7章
仙骨
仙腸関節は人間に痛みをもたらす悪名高き関節です。
仙腸関節は骨盤が仙骨に与える影響ないし仙骨が骨盤与える影響があります。
もし骨盤が原因なら仙腸関節機能障害と呼び
この章では仙骨の機能障害を学びます。
次章で仙腸関節の機能障害について学びます。
仙骨の動き
後屈した時に、仙骨底は前方及び下方に移動します。
この仙骨の前後の動きはS2を軸に起こり、
前方の動きをニューテーション(うなずき)もしくは前方うなずき
後方の動きをカウンターニューテーション(起き上がり)もしくは後方うなずき
といいます。
仙骨の触診
前後のうなずき
脊柱はニュートラル・ポジションで
ヤコビー線からL4を探します。
その下を辿っていくと仙骨底があります。
もしくは画像○印のPSISの内側が仙骨溝になります。
患者に体幹を前屈・後屈してもらい、
前屈で後方うなずき、後屈で前方うなずきを観察します。
患者は腹臥位で体幹上体を起こし、仙骨底が前方に動くか見ます。
次は背臥位で骨盤の後傾にともない後方に動くか見ます。
もしどちらのうなずきも触知できない場合、両側の仙骨が固まっており、
前後どちらかのうなずきで固まっています。
側屈と回旋
仙骨は歩行中に側屈と回旋が起きます。
その時の動きは側屈と回旋の方向が異なるタイプⅠです。
捻転とも呼ばれます。
もし右仙骨底が背側にあれば、仙骨は右回旋、左側屈を伴って右捻転しています。
もしニュートラル・ポジションで
仙骨底が右回旋しているならば、おそらくそれは機能障害を起こしています。
右回旋した仙骨底が後方でうなずいて固まっているか、
左前方でうなずいて固まっているかの判断は
患者の体幹を前屈・後屈させ、
前屈で回旋しない、後屈でより回旋する時
右の仙骨が後方で固まっています。
右は動かない後方うなずきで止まっています。
この時動く左側はより前方に動き仙骨はより右回旋する。
回旋している側は後方で固まっている。
もし後屈で仙骨の回旋が消失したのであれば逆側が前方で固まっている。
参考・引用文献:
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Jeffrey Maitland 著
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