難読治療本を読み終えて【脊椎マニピュレーション】
前回お話していた難読治療本
「脊椎マニピュレーション」
意外と早くに解読することが出来ました。
解読した分をまとめてあります。
読み始めはこの本のクセの強さに
1年かかるんじゃとも思うぐらいでしたが、
ワードで要点を箇条書きし、
最後に清書するような形で読み進めていくと
書かれている内容は理解できました。
感じ方は人それぞれだと思いますが、
この本の検査や治療法はとても簡単なもので、
すぐにでも実践できるものです。
私も実際に複数の知り合いで試してみましたが、
治療効果もあります。
ただこの本の最後にも書かれていましたが、
この本は入門書だそうです。
入門書なので、治療において全ては書かれていません。
また著者がロルファーなので、ロルフィングテクニックが
書かれているのかと思ったのですが、
どうやら著者独自の手技だと思われます。
私自身この本に書かれてあることを使うか?
というと、第一選択の手技ではないです。
治療の選択肢のひとつにはなりますが、
私自身、もの足りない結果ではありましたが、
こうして読破することが出来ましたので、
満足ではあります。
ここでどうしても拭えない問題
この本の最大の問題点
「読みにくさ」ですが、
本としては破綻しています。
私史上最低の本でした。
読み進めていくというより、クロスワードをしているようでした。
本は序章も入れて
本編はおよそ161ページです。
必要なことだけをまとめると
およそ30ページだけになります。
残りの131ページは、
ムダな話、意味不明、同じ事を繰り返しているだけです。
また起承転結もなく
なぜ今この話をしたのだろうか?
なぜ前の章で書かなかったのだろう?
この順番で説明したらスムーズなのに……
など
読み手を惑わしてばかりです。
著者が言うようにこの本が入門書なのであれば、
とても初学者にはおすすめ出来ない。
では慣れた人ならどうかというと、もの足りない内容
それを踏まえた上で、
お読みになりたい方は、実際に購入して見てください。
書かれてあることはムダではないです。
ただ読みにくさは覚悟しておいてください。
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「補足」
本に書かれてある通りの言い回しのまま、
各章をまとめていますので、私自身も「伝わりにくいな……」
と思いながらも、言葉を変えないでのせました。
また椎骨の動き、本書ではタイプ1、タイプ2であると
断定しています。これはフライエットの法則でいけば、
確かにその通りなのですが、カップリングモーションの動きは
現在でも断定的なものはなく、個人差が大きい(特に胸椎)ということを
補足しておきます。
おすすめの治療本
脊椎マニピュレーション 全章まとめ
全章まとめ貼っときます。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。
なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。
原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。
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脊椎マニピュレーション 「肋骨と脊柱側弯症」第9章~第10章
まとめ貼っておきます。
過去のまとめ
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第10章②「脊柱側弯症」
脊柱側弯症
弯曲
人体の弯曲の治療を行うことは複雑です。
また理想的な身体に固執していないでしょうか?
「理想的な弯曲はよりよい機能を生み出す」
これはある意味で正しいですが、すべての人間に当てはまるわけではありません。
良い姿勢じゃないから機能障害が引き起こされているわけではありません。
脊柱側弯症
側屈と回旋の方向が異なるタイプⅠのみ紹介します。
脊柱が曲がる典型的な移行部は4カ所
腰仙椎・胸腰椎・頸胸椎・環後頭接合部です。
こうした移行部は例外なく筋筋膜の緊張と硬結を起こす箇所です。
また外方に大きく逸脱するだけでなく、複雑なひねりのパターンを持っています。
骨の変化があれば介入は阻害されます。
側弯症は単なる弯曲ではなくねじれとらせん状になった弯曲です。
多くの場合、弯曲は片側の脚の方向に曲がりくねるので、
その脚の代償性パターンをリリースすることで、
時として弯曲を大きく変えることができます。
タイプⅠの側弯症のためのテクニック
側弯症の治療の前にすべての脊柱、骨盤、肋骨の制限をリリースしておいてください。
患者は立位あるいは座位で左右に側屈させてください。
より簡単に側屈できる方にカーブしています。カーブの頂点は凸側です。
例:
腰椎:右側屈・左回旋
胸椎:左側屈・右回旋
での脊柱側弯症の場合
胸椎から治療します。
患者は左腕を後ろにし左側を下にして側臥位になります。
弯曲の凸面に沿って右脊椎溝に指、肘、こぶしのいずれかで
沈めていきます。
組織が緩むのを待ち、脊柱から離れていくように外方に押します。
凸面が一番低いところからはじめる場合上に移動していく
凸面が一番高いところからはじめる場合は下に移動していく
次は逆にむきで側臥位に腕は後ろにしなくていいです。
弯曲の凹面に沿って起立筋に肘、指、こぶしのいずれかをおいてください。
組織が緩むのを待ち、脊柱に向かって内側に押します。
次は腰椎です。
治療の仕方は同じです。
治療開始前の脚の姿勢だけ違います
右を下に側臥位で右膝を軽く曲げ、左脚を身体の前に置き膝は90°にします。
弯曲の凸面に対して左脊椎溝から外方に圧をかける。
逆側は左を下に両膝はそろえて少し曲げてもらう
カーブの凹面に対して脊柱に向かって起立筋の外縁に圧をかける
第10章はここまでです。
【脊椎マニピュレーション】
これにて終了となります。お疲れ様でした。
本書は最後このように締めくくられています。
本書は脊柱に関する入門書にすぎず、
脊柱に起きる奇妙な点に関する議論を省いてあります。
中略
おそらく読者の方々は考えているかもしれませんが、本書で説明したような方法で脊柱が機能しているということについては、すべての人が完全に同意しているわけではないのです。
中略
皆さんに幸運を!この本を書くことはとても楽しかったです。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第10章①「各章の補足」
第10章
付録
最後の章、第10章「付録」ですが、
付録というより、今までの章の補足事項です。
10章の最後に出てくる脊柱側弯症のみが付録です。
人の身体は適応でき柔軟です。
しかし交通事故にあった時、
その時点から怪我を補うように適応していきます。
人の身体は部品交換できないため、一カ所の怪我でも全身に影響を与えます。
それは身体の柔軟性を無くし、柔軟性を無くした身体はさらに柔軟性を無くし、
またさらに柔軟性を無くして行きます。
自動車の部品交換は人では悪い部分のみを治す矯正的アプローチといいます。
それよりかは全てを包括的にアプローチするホリスティック・アプローチが
望ましいです。
そうする理由は
「人の身体には継ぎ目がないから」です。
治療の適応性
患者の心理的要因を忘れてはいけない
性的・肉体的な虐待を受けた経験のある人、
疼痛により無意識に抵抗してしまう人
このような人たちは治療を受ける前に
心理的サポートが必要かもしれません。
筋筋膜と靱帯の機能障害
ここからは各章の補足的なものです。
すでに紹介しているもののみでもリリースは可能ですが、
関節リリース前、筋筋膜リリースを行ってください。
ショットガン・テクニック
患者は座位
頸胸椎接合部近くの脊椎溝に肘を置き
患者はゆっくり前屈していく
前屈にしたがって肘を下に、仙腸関節まで滑らしていく
左右の脊椎溝で数回繰り返す。
これは閉じた椎間関節には有効、開いた椎間関節には効果なし
あくまでも筋肉リリースになります。
禁忌
重度の腰背部痛
退行性関節疾患
椎間板の問題があるとき使用しない
梨状筋のタイプ
ハムストリング
腰椎、骨盤の緊張状態に関与します。
ハムストのリリースで仙骨もリリースされる。
腰方形筋
脊柱の側屈に関与します。
内転筋
仙椎腰椎のリリースに重要
腰筋とリリースしてください。
腰痛の既往歴があると胸腰椎部における筋筋膜緊張や硬結がよくある
リリースしても仙腸関節、仙骨に真ん中、ILAに痛みがある場合
患者を座位で前屈位
両方にこぶしをつくって腰仙椎接合部に10~15㎏の圧をかける
仙腸関節にそって内と外で下にすべらせる
反対も同じ、二回行う
頸部の椎間関節のリリースの前に
背部、頸部、環椎、後頭骨周囲の筋肉、筋膜をリリースしてください。
頸部ショットガン・テクニック
背臥位で頸部を持ち上げ、環椎の脊椎溝に置く
緩んだと感じたらT1かT2まで下げる
反対にも
頸部の治療は必ず後頭下の筋肉をリリースしてください。
機能不全がある時、例外なく固まっています。
ひどい頭痛の源でもあります。
肋骨のリリースには背部、胸郭、胸骨、肋軟骨をリリースしてください。
菱形筋は肋骨の動きを妨げる、肩甲挙筋、上後鋸筋にも注意
個人的なことをいうと
なぜ最後の章でまとめて補足したのか?
なぜ各章で、この説明をしなかったのか?
私は疑問でしかありません。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
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~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第9章②「肋骨をリリースするテクニック」
肋骨をリリースするテクニック
肋骨をリリースする前に胸椎周辺や胸骨周辺をリリースしてください。
胸椎がタイプⅡで固まっているのであれば全てリリースしてください。
肋骨のリリースは全て座位で行います。
第2~10肋骨
固まっている方の肋横突関節に母指を置き、
患者には固まっている側に体幹を側屈してもらいリリースされるまで待ちます。
第11、12肋骨
肋横突溝に母指、もう片方は肋骨に沿わして置く
患者には同側の体幹を側屈してもらいます。
母指を前方に押しリリースされるまで待つ
第11と第12肋骨は筋筋膜もリリースしないといけません。
外腹斜筋、腹横筋、腹直筋もリリースしてください。
第1肋骨
上方に固まっている可能性が高いため、右が制限されていれば、
右に肘を置きます。
患者には頸部前屈してもらいそのまま左に回旋してもらいます
そのままで待ちます。左回旋の間にゆっくり圧をかける
今度は頸部前屈位を維持したまま右に、リリースを待ちます。
リリースされた後に同側の斜角筋をリリースしてください。
第9章はここまでです。
第1~9章までで、
この脊椎マニピュレーションの基本の説明は終わりになります。
次の10章「付録」で追加の説明が始まります。
次回が最終章になります。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
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脊椎マニピュレーション 第9章①「肋骨の機能障害の見つけ方」
第9章
肋骨
肋骨は腰背部痛の一因になり、そして痛みを持続させます。
胸椎は150の関節を持ち、肋骨一本あたり6つの関節が関わっています。
肋骨、その周辺の関節を含む胸椎の制限をリリースすることは、
頸部、腰部を操作することなく頸部、腰部をリリースすることにもつながります。
肋骨の影響
肋骨は胸椎、胸骨などと接合しています。
機能障害に陥った肋骨のねじれは通常、
椎骨の回旋や胸椎におけるタイプⅡの機能障害から生じる。
例えば第5肋骨は
T4の下肋骨窩、T5の上肋骨窩、T5の横突起の肋骨窩に付着しています。
もしT5の上でT4が右回旋したら、T4は肋骨の上部を引っ張る一方で、
T5に付着している下部は、回旋に影響されることなく、そのままの状態を保つ。
T4の右回旋は、このようにして右第5肋骨の外方へのねじれと
左第5肋骨の内方へとねじれを生み出します。
第11と第12肋骨は胸骨につきません。
この二つは腰筋群の筋膜損傷で結合が固まります。
肋骨と胸椎の密接な関係は椎骨の機能障害をリリースすることで
しばしば肋骨の機能障害を容易にリリースすることができる
(最初に胸椎のタイプⅡの固定をリリースします。)
長く続く背部、頸部の痛みにおいて肋骨は非常に重要です。
固まっている肋骨の見つけ方
肋骨は内、外にねじれたり、前方、後方に不完全な外れ方をしたり、
第1肋骨は上方にすべったり、外傷により歪んだり、機能障害を起こしたりします。
ねじれ、亜脱臼、第1肋骨の機能障害を見ていきますが、
肋骨がねじれているか亜脱臼しているかはそれほど重要ではありません。
また評価と治療はセットになっています。
肋骨のねじれ
肋骨が外方上か内方下にねじれた状態
亜脱臼
胸郭の左右差で確認、前方脱臼か後方脱臼
背部の筋肉の発達で触診しにくくなる
スプリング・テスト
母指を肋横突溝に置き、前方に押しては離す。
骨の跳ね具合を見る。跳ねなければ固まっている
補助的スプリング・テスト
患者は座位
患者は両腕を交差させ、肩におく
術者は患者の腕を持ち上げ、その時に母指で前方に押し、腕を下げた時に圧を解く
もし固まっていれば、前方に押した時に沈まない
肋骨の圧痛点
背中であれば肩甲骨内側縁に沿ってある。
軟部組織をリリースしても痛みが残る場合は肋骨をリリースしなければいけないが、
軟部組織をリリースしておくことで肋骨のリリースを助けることになる。
第1肋骨
第1肋骨の機能障害は上方で固まり、
同側の斜角筋の筋緊張と上方面の目立った圧痛がある。
頸椎の痛みのリリースをしてもまだ痛みが残る場合、(僧帽筋の上部など)
第1肋骨が固まっていることになります。
患者を座位で第1肋骨を下向きに押して跳ね返りがなければ固まっています。
または両母指を第1肋骨に置き座位で深呼吸してもらう。
左右で動かない方があれば固まっています。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
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~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
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