脊椎マニピュレーション 第7章①「仙骨の動き」

 

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第7章

仙骨

仙腸関節は人間に痛みをもたらす悪名高き関節です。

仙腸関節は骨盤と仙骨の接合によって形成されています。

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仙腸関節は骨盤が仙骨に与える影響ないし仙骨が骨盤与える影響があります。

もし骨盤が原因なら仙腸関節機能障害と呼び

もし仙骨が原因なら仙骨の機能障害と呼びます。

 

この章では仙骨の機能障害を学びます。

次章で仙腸関節の機能障害について学びます。

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仙骨の動き

前屈した時に、仙骨底は後方及びわずかに上方へ移動します。

後屈した時に、仙骨底は前方及び下方に移動します。

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この仙骨の前後の動きはS2を軸に起こり、

前方の動きをニューテーション(うなずき)もしくは前方うなずき

後方の動きをカウンターニューテーション(起き上がり)もしくは後方うなずき

といいます。

 

仙骨の触診

前後のうなずき

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脊柱はニュートラル・ポジションで

ヤコビー線からL4を探します。

その下を辿っていくと仙骨底があります。

もしくは画像○印のPSISの内側が仙骨溝になります。

仙骨底か仙骨溝に母指を置きます。

患者に体幹を前屈・後屈してもらい、

前屈で後方うなずき、後屈で前方うなずきを観察します。

 

患者は腹臥位で体幹上体を起こし、仙骨底が前方に動くか見ます。

次は背臥位で骨盤の後傾にともない後方に動くか見ます。

もしどちらのうなずきも触知できない場合、両側の仙骨が固まっており、

前後どちらかのうなずきで固まっています。

 

側屈と回旋

仙骨は歩行中に側屈と回旋が起きます。

その時の動きは側屈と回旋の方向が異なるタイプⅠです。

捻転とも呼ばれます。

もし右仙骨底が背側にあれば、仙骨は右回旋、左側屈を伴って右捻転しています。

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もしニュートラル・ポジションで

仙骨底が右回旋しているならば、おそらくそれは機能障害を起こしています。

 

右回旋した仙骨底が後方でうなずいて固まっているか、

左前方でうなずいて固まっているかの判断は

患者の体幹を前屈・後屈させ、

前屈で回旋しない、後屈でより回旋する時

右の仙骨が後方で固まっています。

右は動かない後方うなずきで止まっています。

この時動く左側はより前方に動き仙骨はより右回旋する。

 

もし体幹の後屈で仙骨が極端に回旋したのであれば、

回旋している側は後方で固まっている。

もし後屈で仙骨の回旋が消失したのであれば逆側が前方で固まっている。

 

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参考・引用文献:

「脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」

Jeffrey Maitland 著 

翻訳:田喜知秀彦

監修:泉秀幸

出版:医道の日本社

 

※このブログでは究極に読みにくい治療本

脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~

Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社

を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。

なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。

原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。