脊椎マニピュレーション 第4章③「関節チャレンジ・テクニック」
関節チャレンジ・テクニック
胸椎と腰椎の椎間関節にはショットガン・テクニックを用います
頸椎は胸椎・腰椎と異なり、両側の関節面が固定されることが多いです。
頸椎の注意点
椎骨動脈の刺激・遮断はとくに高齢者は非常に危険です。
正常な頸部を回旋させた時、回旋させた反対側の動脈は
90%狭くなる可能性があります。
頸部の前屈・側屈は大丈夫ですが、
頸部を回旋・後屈では椎骨動脈が狭窄します。
(後頭骨・環椎の接合部、C6・C7が危険)
頸部を極端に進展させてのテクニックは使用しないでください。
めまい・眼振が見られたら即座に中止し、医師の診察を受けることを勧める
頸椎動脈テスト
座位で患者に頸部を進展させ、左右に曲げる
めまい、眼振が現れるかを観察し、めまい・眼振が見られた場合、
手技は行わないようにしてください。
頸部は可動性が高く、治療に側屈や回旋を取り入れることができる
椎間関節が開いて固まっている場合、側屈と回旋
椎間関節が閉じて固まっている場合、側屈と回旋、前屈
例:(C4の上で)C3が右回旋
頸椎は
①右関節面が閉じて固まっているか
②左関節面が開いて固まっているか
③その両方かになります。
例外はありますが、頸椎の動きはすべてタイプⅡです。
まずC3が側屈・回旋できない方向を調べます。
右椎間関節のリリース
左手で後頭部を持ち、治療台から持ち上げる
頭部を左に側屈・回旋させる
右の椎間関節の脊椎溝あるいは関節柱上に示指か中指を置く
指をしずめていき待ちます。
施術前のC3は左側屈・回旋できないが制限がリリースされたあと、
組織が弛緩し、頸部が伸長され少しだけ左側屈・回旋します。
もしここだけが制限されていれば左側屈・回旋が容易になります。
この段階で頸部の動きが戻らなければ
左関節面が開いて固まっていることになるため、
次の施術を行います。
右手で後頭部を持ち
左手の示指・中指で脊椎溝か関節柱の間に置く
ごくごく軽度に頸部を伸展し側屈・回旋させ待ちます。
リリースされたら、さらに左回旋します。
リリースの別法
脊椎溝か横突起か横突起の前方に指を置き変えます。
頸椎が回旋しない左に圧を掛けながら
左側屈方向にやさしく捻る、ゆするをします。
これは直接的テクニックになります。
リリースされるのをただただ待つより、
上記の間接的テクニックと別法の直接的テクニックを組み合わせることで
早くにリリースされます。
第4章はここまでです。
この章では
オステオパスやカイロプラクターによって行われるスラストテクニックに頼ることなく、固まった脊柱をリリースすることは可能なのか?
という本書の主たる目的をぶち壊し、厳密なスラストではないですが、
直接法を用いています。やり方はモビライゼーションに分類されるかと思います。
著者のぶれぶれな態度と文章の支離滅裂さは今は放っておくことにします。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。
なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。
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