脊椎マニピュレーション 第4章②「頸椎の間接的テクニック」

 

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間接的テクニック①

頸椎のための間接的テクニック(椎間関節にアプローチしない)

椎骨が回旋している時に使用する。

患者は背臥位になります。

 

例:(C4の上で)C3が右回旋

 

左右両方の

横突起の先端を母指と示指で挟む、示指は脊椎溝に沈めるようにする。

やさしく、しっかりと指と指の間でC3を挟む

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横突起に置いた母指は下に向けて圧を

示指の脊椎溝はやや斜めに(頭側に)に押し込み

この状態で待ちます。

 

最初にC3がさらに右回旋と右側屈へ動き、

それから左回旋・左側屈に動き始めます。

その後リリースされるまでは予期せぬ動きをするかもしれません。

さらにそのままで待ちます。

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関連組織が緩み調整されていきます。

患者は痛みが消失した軽減したと感じ、

術者はC3がもう右回旋していないことに気付くと思います。

 

次のテクニックに進む前に、

しばらくの間、このテクニックを練習してください。

 

間接的テクニック②

例:(C4の上で)C3が右回旋

(前述のテクニックより効果的です)

 

右手の母指と中指でC3の両横突起を挟む

左手で頭頂部をつかみ右に回旋させる

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ここで少し待ってください。大きな変化が現れます。

患者の頭部と頸部が右に向かって回旋し始め、

回旋しなくなるまでその動きに従い、

そしてしばらく待ちます(わずかな拍動が感じられるかもしれません)

 

待ち続けていると

さらなる回旋をはじめようとします。

その時の頭部・頸部の動きたい方向に従います。

動きを妨げてはいけません。

 

頭部と頸部は左に回旋するかもしれません。

側屈・前屈・後屈と同時に右回旋をして戻るかもしれません。

※この現象を本書ではダンスに従うと表現しています。

 

最終的に頭部・頸部は側屈・回旋をやめて一直線上に落ち着きますが、

まだ組織が指に下で緩むのを待ってください。

 

頸部は伸ばされ体のバランスが整い、C3を触診し戻っていることを確認します。

関連組織が緩み調整されリラックスし、患者は痛みが消失した軽減したと感じ、

術者はC3がもう右回旋しないことに気付くと思います。

 

※今後この本では筆者が好んで使う「ダンス」という言葉が登場します。

ダンスは体・組織が正常な状態に戻っていく過程での反応で、

骨であれば、予期せぬ動きを伴って動くことを表現しています。

筆者はこの動きに対してあくまでも「ダンスに従うこと」と述べています。

患者に触れている手はダンスを感じるままに

頭ではなにも詮索せず無の状態でその動きに従います。

 

頭蓋仙骨療法に似ているのかもしれません。

この本はあくまでもスラストテクニックを用いずに

脊椎を治療するための本です。

 

ここまで序章もいれておよそ50ページ分を解読してみましたが、

序章で語られていた。「患者からのエネルギー」などの言葉は

オステオパシーの頭蓋仙骨療法で用いる

「クラニアルリズミックインパルス」の話をしているのかもしれません。

 

私はこの本はスラストテクニックを用いない

非スラストのテクニックマニュアルだと思って読み進めていましたが、

頭蓋仙骨療法に似たものなのであれば、本書で書かれている手技の説明の

「やさしく・かつしっかりと」というような表現は「やさしく触れる」ぐらいの

力加減になるのかもしれません。

リズム(この本ではダンス)を妨げない力で触れる

が正しい力のかけ方の表現になるかもしれません。

 

まだ全てを読めていないので、推測になりますが……

 

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参考・引用文献:

「脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」

Jeffrey Maitland 著 

翻訳:田喜知秀彦

監修:泉秀幸

出版:医道の日本社

 

※このブログでは究極に読みにくい治療本

脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~

Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社

を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。

なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。

原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。