脊椎マニピュレーション 第3章②「棘突起での検査と脊柱側弯症の椎骨」

 

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椎骨の棘突起が開いている/閉じている場合の検査

※回旋、側屈ではわからない両側の椎間関節を調べるために用います。

 

座位で棘突起間にそれぞれ母指を置き

患者は前屈・後屈してもらいます。

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前屈で母指が離れていき、後屈で近づいてこない場合

両側の椎間関節は開いて固まっています。

 

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後屈で近づいていき、前屈で離れていかない場合

両側の椎間関節は閉じて固まっています。

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この場合のリリース方法は近位指節間関節を曲げて

曲げた指の両方を脊椎溝に置きます。

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両側が開いて固まっている場合、

後屈してもらいリリースされるまで待ちます。

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両側が閉じて固まっている場合、

前屈してもらいリリースされるまで待ちます。

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タイプⅠの椎骨と脊柱側弯症

一側性の椎間制限に対して評価方法の練習を行う際に、

明らかに回旋しているのに、前屈・後屈しても反応を示さない(動かない)椎骨が

存在していることに気付くかと思います。

 

またそのような反応を示す椎骨は上下の椎骨とセットになり、

脊柱の弯曲が見られます。これはタイプⅠの椎骨です。

 

もしこの椎骨群が脊柱側弯症の一部なのであれば、

より大きな筋膜制限で椎骨が固まっていることになります。

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同側に回旋・側屈しているタイプⅡの椎骨は

小さな筋肉群や靭帯によって椎間関節に機能障害を起こしますが、

タイプⅠは筋肉や靭帯の影響を受けない傾向があります。

(タイプⅠの弯曲内にタイプⅡの椎骨も存在します)

タイプⅠは上下の椎骨とセットで歪み

タイプⅡは個々の椎骨が機能障害をもったものです。

 

もしタイプⅠの中にタイプⅡの機能障害を見つけようとする場合

それは非常に難しいことで回旋・回旋が戻る感覚をしっかりと感じ取れる必要がある。

 

もし前屈・後屈において回旋方向が変わらない椎骨を胸椎や腰椎で見つけたら

それはタイプⅠで固まったものです。

 

それらの椎間関節には、これまで学んできたものよりも

複雑なテクニックを必要とします。

続きは第10章で学びます。

 

第3章はここまでです。

 

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参考・引用文献:

「脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」

Jeffrey Maitland 著 

翻訳:田喜知秀彦

監修:泉秀幸

出版:医道の日本社

 

※このブログでは究極に読みにくい治療本

脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~

Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社

を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。

なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。

原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。