脊椎マニピュレーション 第4章①「頸部」
第4章
頸部
私たち人間の感情は頸部で表現されます。
もし気分が落ち込んでいた場合、頸部の筋肉組織は硬くなります。
もしこの状態が長期化すると柔軟性を失うことになり、
かなり痛みのある障害を生み出すことになります。
また頸椎は胸椎・腰椎と比べて、骨・筋膜・膜組織の構造の中に
しっかりと埋め込まれていません。
頸部は非常に柔軟なので、他の脊柱部分よりも、歪みに対して適応できます。
しかし複雑な動きを可能にする反面、もろくもあります。
立位になり、体幹を右側屈してみてください。
側屈で肩甲帯と頸部をどのように感じるでしょうか?
体幹の側屈に対して頭部は真っ直ぐに保とうします。
体幹の側屈に対して頸部はただ単に曲がるだけではありません。
立ち直り反射が起き、目は地面を平行に見ようとします。
この時、頸部は柔軟性がなくなり、体のあらゆる部分の
バランスの変化に適応しようとします。
完璧にバランスのとれた体を持ち合わせている人はいません。
だれもが少なからず頸椎の可動性や適応性を失っています。
この適応性の減少により、ほとんどの人の頸部には問題があります。
これは頸部に全くなにも問題がないと思っている人でも当てはまります。
若い人の頸部でも動きの制限はあり、その問題がそのままいくとどうなるのか?
高齢患者の制限を伴う深刻な頸部で見ることができるでしょう。
頸部の障害を適切に治療するためには、
全身の歪みや歪みの代償を理解し、対処しない限り難しいでしょう。
ただこれは頸部に限ったことではなく全身でも言えることです。
部分的な制限に手技を施そうとする際は、
いつでも他の部位の代償やそこにかかるストレスとの関係性を
理解することが大切です。
頸部はC1以外は全ての動きは常にタイプⅡです。
頸部を側屈・回旋・前屈・後屈のいずれであろうと、
椎間関節の制限があろうとなかろうと側屈と回旋は常に同側で起きます。
頸椎触診の仕方
左右の乳様突起の下端を結ぶ線上に、C2の横突起があります。
左右二本の示指の先端を1つの頸椎の棘突起の上にそれぞれ置きます。
そのあと1横指、横に置く、脊椎溝に沈んでいくことがわかるかと思います。
もし椎骨が右回旋していれば、右は隆起し左はくぼむ
明らかな回旋を見つけるまでこの方法ですべての頸椎をテストします。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。
なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。
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