脊椎マニピュレーション 第1章②「椎骨の動き」

 

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椎骨の動き

実際に自分の腰に指を置いて骨の動きを確かめてみましょう

確かめる前に注意しておくことがあります。

※椎骨の動きと軟部組織の反応を見分ける

※左右の筋肉の緊張が同じとは限らないため異なる反応を示すことがある

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まず立位の状態で自身の両方の母指をL4かL5の肋骨突起に置きます。

肋骨突起に指が置けたら体幹を左に側屈してみてください。

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そうすると腰椎の肋骨突起は左がくぼみ、右は突出すると思います

体幹を側屈していくに従い、側屈させた側の肋骨突起は前方(腹側)に移動し、

反対側の肋骨突起は後方(背側)に移動します。

これは座位でも立位でも体幹を側屈させることで腰椎は回旋するからです。

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もし腰椎に異常がある場合、動きが異なります。

その場合、椎骨間の可動制限があり正常な動きを妨げている可能性があります。

椎骨間の1つが制限されていると、体を側屈させると左右差があり、

①ある方向には椎骨がより回旋する

②他の方向に側屈させた際には回旋が少ない
と感じられる。

※目立った中程度の痛みがなくても椎骨間の制限を持っている可能性がある

 

座位・立位のどちらでも脊柱が真っ直ぐの状態のことを

ニュートラル・ポジションと呼びます。

ニュートラル・ポジションの場合、

体幹を側屈させても椎骨間に変化はありません。

 

次のやり方は

立位の状態で自身の両方の母指をL4かL5の肋骨突起に置きます

次は体幹を前方に屈曲してから左側屈してみてください

※腰に痛みのある方は注意して行ってください。

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左に側屈していくにつれて、左の肋骨突起が後方(背側)に

右の肋骨突起が前方(腹側)に動くと思います。

この状態での腰椎は側屈した側が回旋します。

体幹が後屈でも側屈すれば同じことが起こります。

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ニュートラル・ポジションである体幹が前屈・後屈に曲げた状態では、

胸椎と腰椎の椎間がかみ合い、椎体を回旋させる方向を変えます。

 

少しまとめますと

ニュートラル・ポジションでの椎骨は動かす方向と反対方向に動く

これをタイプⅠといいます。

②非ニュートラル・ポジションでの椎骨は動かす方向と同方向に動く

これをタイプⅡといいます。

 

また身体というのは脊柱の回旋なしに側屈することはできません。

腰椎では回旋(+)側屈(++)

胸椎は回旋(++)側屈(+)

と側屈と回旋はセットになります。

 

しかし頸椎は腰椎と胸椎とは異なり

前屈・後屈の非ニュートラル・ポジションで

C2~C7はタイプⅠの動きをします。

 

触診においてのポイント

触診で指を沈めていくと骨は軟部組織と違い停止するポイントがあるため

緊張した軟部組織とは明らかに違います。

椎骨に異常がある場合、椎骨は回旋しており、

片方の椎骨横突起は隆起し反対側はくぼんでいます。

隆起している横突起を見つけたら隣接する椎骨を見て椎間関節としてとらえます。

仮にT7が右回旋している時、T7はT8の上で右回旋していると表現される

回旋異常があれば座位では腰椎より胸椎が著明で触診しやすい

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座位で腰椎の回旋を触知できれば、次は腹臥位で同じ場所を触診してみてください。

多くの人が座位では脊柱起立筋・背部の筋肉の筋トーンが高いため、

腹臥位の方が触知しやすいです。

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参考・引用文献:

「脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」

Jeffrey Maitland 著 

翻訳:田喜知秀彦

監修:泉秀幸

出版:医道の日本社

 

※このブログでは究極に読みにくい治療本

脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~

Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社

を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。

なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。

原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。