脊椎マニピュレーション 第10章②「脊柱側弯症」

 

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脊柱側弯症

弯曲

人体の弯曲の治療を行うことは複雑です。

また理想的な身体に固執していないでしょうか?

「理想的な弯曲はよりよい機能を生み出す」

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これはある意味で正しいですが、すべての人間に当てはまるわけではありません。

良い姿勢じゃないから機能障害が引き起こされているわけではありません。

 

脊柱側弯症

側屈と回旋の方向が異なるタイプⅠのみ紹介します。

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脊柱が曲がる典型的な移行部は4カ所

腰仙椎・胸腰椎・頸胸椎・環後頭接合部です。

こうした移行部は例外なく筋筋膜の緊張と硬結を起こす箇所です。

また外方に大きく逸脱するだけでなく、複雑なひねりのパターンを持っています。

骨の変化があれば介入は阻害されます。

側弯症は単なる弯曲ではなくねじれとらせん状になった弯曲です。

多くの場合、弯曲は片側の脚の方向に曲がりくねるので、

その脚の代償性パターンをリリースすることで、

時として弯曲を大きく変えることができます。

 

タイプⅠの側弯症のためのテクニック

側弯症の治療の前にすべての脊柱、骨盤、肋骨の制限をリリースしておいてください。

患者は立位あるいは座位で左右に側屈させてください。

より簡単に側屈できる方にカーブしています。カーブの頂点は凸側です。

 

例:

腰椎:右側屈・左回旋

胸椎:左側屈・右回旋

での脊柱側弯症の場合

 

胸椎から治療します。

患者は左腕を後ろにし左側を下にして側臥位になります。

弯曲の凸面に沿って右脊椎溝に指、肘、こぶしのいずれかで

沈めていきます。

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組織が緩むのを待ち、脊柱から離れていくように外方に押します。

凸面が一番低いところからはじめる場合上に移動していく

凸面が一番高いところからはじめる場合は下に移動していく

 

次は逆にむきで側臥位に腕は後ろにしなくていいです。

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弯曲の凹面に沿って起立筋に肘、指、こぶしのいずれかをおいてください。

組織が緩むのを待ち、脊柱に向かって内側に押します。

 

次は腰椎です。

治療の仕方は同じです。

治療開始前の脚の姿勢だけ違います

右を下に側臥位で右膝を軽く曲げ、左脚を身体の前に置き膝は90°にします。

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弯曲の凸面に対して左脊椎溝から外方に圧をかける。

 

逆側は左を下に両膝はそろえて少し曲げてもらう

カーブの凹面に対して脊柱に向かって起立筋の外縁に圧をかける

 

第10章はここまでです。

 

【脊椎マニピュレーション】

これにて終了となります。お疲れ様でした。

本書は最後このように締めくくられています。

 

本書は脊柱に関する入門書にすぎず、

脊柱に起きる奇妙な点に関する議論を省いてあります。

中略

おそらく読者の方々は考えているかもしれませんが、本書で説明したような方法で脊柱が機能しているということについては、すべての人が完全に同意しているわけではないのです。

中略

皆さんに幸運を!この本を書くことはとても楽しかったです。

 

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参考・引用文献:

「脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」

Jeffrey Maitland 著 

翻訳:田喜知秀彦

監修:泉秀幸

出版:医道の日本社

 

※このブログでは究極に読みにくい治療本

脊椎マニピュレーション

~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~

Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社

を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。

なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。

原文のまま、お読みになりたい方はぜひ本をお買い求めください。