脊椎マニピュレーション 第10章①「各章の補足」
第10章
付録
最後の章、第10章「付録」ですが、
付録というより、今までの章の補足事項です。
10章の最後に出てくる脊柱側弯症のみが付録です。
人の身体は適応でき柔軟です。
しかし交通事故にあった時、
その時点から怪我を補うように適応していきます。
人の身体は部品交換できないため、一カ所の怪我でも全身に影響を与えます。
それは身体の柔軟性を無くし、柔軟性を無くした身体はさらに柔軟性を無くし、
またさらに柔軟性を無くして行きます。
自動車の部品交換は人では悪い部分のみを治す矯正的アプローチといいます。
それよりかは全てを包括的にアプローチするホリスティック・アプローチが
望ましいです。
そうする理由は
「人の身体には継ぎ目がないから」です。
治療の適応性
患者の心理的要因を忘れてはいけない
性的・肉体的な虐待を受けた経験のある人、
疼痛により無意識に抵抗してしまう人
このような人たちは治療を受ける前に
心理的サポートが必要かもしれません。
筋筋膜と靱帯の機能障害
ここからは各章の補足的なものです。
すでに紹介しているもののみでもリリースは可能ですが、
関節リリース前、筋筋膜リリースを行ってください。
ショットガン・テクニック
患者は座位
頸胸椎接合部近くの脊椎溝に肘を置き
患者はゆっくり前屈していく
前屈にしたがって肘を下に、仙腸関節まで滑らしていく
左右の脊椎溝で数回繰り返す。
これは閉じた椎間関節には有効、開いた椎間関節には効果なし
あくまでも筋肉リリースになります。
禁忌
重度の腰背部痛
退行性関節疾患
椎間板の問題があるとき使用しない
梨状筋のタイプ
ハムストリング
腰椎、骨盤の緊張状態に関与します。
ハムストのリリースで仙骨もリリースされる。
腰方形筋
脊柱の側屈に関与します。
内転筋
仙椎腰椎のリリースに重要
腰筋とリリースしてください。
腰痛の既往歴があると胸腰椎部における筋筋膜緊張や硬結がよくある
リリースしても仙腸関節、仙骨に真ん中、ILAに痛みがある場合
患者を座位で前屈位
両方にこぶしをつくって腰仙椎接合部に10~15㎏の圧をかける
仙腸関節にそって内と外で下にすべらせる
反対も同じ、二回行う
頸部の椎間関節のリリースの前に
背部、頸部、環椎、後頭骨周囲の筋肉、筋膜をリリースしてください。
頸部ショットガン・テクニック
背臥位で頸部を持ち上げ、環椎の脊椎溝に置く
緩んだと感じたらT1かT2まで下げる
反対にも
頸部の治療は必ず後頭下の筋肉をリリースしてください。
機能不全がある時、例外なく固まっています。
ひどい頭痛の源でもあります。
肋骨のリリースには背部、胸郭、胸骨、肋軟骨をリリースしてください。
菱形筋は肋骨の動きを妨げる、肩甲挙筋、上後鋸筋にも注意
個人的なことをいうと
なぜ最後の章でまとめて補足したのか?
なぜ各章で、この説明をしなかったのか?
私は疑問でしかありません。
参考・引用文献:
「脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~」
Jeffrey Maitland 著
翻訳:田喜知秀彦
監修:泉秀幸
出版:医道の日本社
※このブログでは究極に読みにくい治療本
脊椎マニピュレーション
~機能障害に対する軟部組織からのアプローチ~
Jeffrey Maitland 著 出版:医道の日本社
を要約し、治療で必要と思われるところをまとめたものになります。
なお、使用している写真はフリー素材であくまでもイメージになります。
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